AGAクリニックの公式サイトによく出てくる『毛髪診断士』という肩書。
『カウンセリングは毛髪診断士が承ります!』というフレーズに、なぜか『そうか!じゃあ安心だ!』と思っているそこのあなた!
毛髪診断士って”一体何者か?”ご存知でしょうか・・
まぁ何となく有資格者ということで悪いイメージはつきづらいところですが、一体彼ら彼女らが持つ毛髪診断士とはどんな資格で、どのようにして取得しているのか、そのあたりをご紹介していきます。
毛髪診断士とは
毛髪診断士とは『内閣府認定|公益社団法人日本毛髪科学協会』が発行している認定資格です。
この協会の公式サイトには、以下の事柄が記載されています。
(出展:日本毛髪科学協会HP)
要するに、”毛髪に関する知識を兼ね備え、毛髪の状態を的確に観察・判断する技術を高めし者”というわけです。
ちなみに、こうした毛髪診断士のいるクリニックや美容室には協会認定ステッカーが掲示されています。
(出展:日本毛髪科学協会HP)
運営してる日本毛髪科学協会とは
毛髪と皮膚についての正しい知識を広く一般の人々に理解してもらうため、1966年5月、厚生大臣の認可により社団法人として設立されたのが、この『日本毛髪科学協会』。
会員の教育研修や一般の人々への普及啓発に努めると同時に、毛髪についての調査研究も行ってきた。
結果、2011年4月には内閣府認定を受け、公益社団法人に組織変更した経緯がある。
なんとその数2,000人超え!
協会の趣旨に賛同している法人会員は、製薬会社や化粧品会社などを含めた約70社にのぼるってるんだよ!
毛髪診断士になる方法
毛髪診断士になるためには以下の過程をクリアしなければなりません。
- 毛髪診断士講習会の受講
- 毛髪診断士認定試験の合格
それぞれ、どんな内容になっているのか見ていきましょう。
毛髪診断士講習会の内容
講習会ではみっちり2日間に渡り、『毛髪に対する基礎知識から実際の診断方法』までを徹底的に学ぶことになります。
※日程は基本的に、年4回の定期開催。
※4月・5月、10月・11月
※東京会場(中野サンプラザ)、大阪会場(大阪科学技術センター)
内容の難易度はそれほどむずかしいというものではありません。しっかりと着実に毛髪関連についての知識を定着してもらう、それがこの講習会の目的だからです。
以下、協会の公式サイトで紹介している講習会の内容となります。
講習内容
1.毛総論
1)皮膚のしくみ
2)ヒトの毛の数、種類、分布と年齢変化
3)毛器官の構造
4)毛の色
5)毛の発生 毛の役割
6)毛周期
7)男性ホルモン
8)遺伝子異常による毛の異常
9)毛の役割2.毛の損傷とヘア・ケア
1)物理的原因による毛の損傷
2)化学的原因による毛の損傷と皮膚の障害
3)ヘア・ケア
4)毛幹の性質3.毛髪の疾患
1)異常毛 -毛幹の異常-
①毛幹の形態:直毛、くせ毛-波状毛、縮毛
②形状の異常
③白点として見える付着物
④白髪2)脱毛症 -脱毛ならびに頭皮の疾患-
①よりよい理解のための基礎知識
②脱毛症の分類
③脱毛症各論4.毛髪診断
1)抜け毛の相談と観察
2)損傷毛の診断
3)毛髪診断の実際
4)頭皮の観察5.香粧品
1)化粧品と医薬部外品
2)香粧品の配合成分
3)皮膚の洗浄剤
4)頭髪用化粧品
5)頭髪用医薬部外品(出展:日本毛髪科学協会HP)
毛髪は皮膚科学の中のひとつということで、まずは皮膚の仕組みから学びます。そしてAGAに深い関係がある男性ホルモンについての知識もしっかりと講習内容に入っているのです。
毛髪診断についての現実的なノウハウも学べ、薬品系のことまで網羅されています。
講習では座学の他に実習もあり、特に人気のあるのが『マイクロゲージという器具』を使い自分自身の髪の毛の太さやくせ毛度を測るものです。
日本人の毛経指数の平均値は70台後半から80台前半が多いんだ!
ちなみに、受講料は以下となります。
【受講料】
・会員16,200円
・非会員36,720円※すべて税込です。
あらかじめ会員になっておくことで、45%OFFで受講が可能です。
ちなみに会員への入会金と年会費は以下の通り。
【入会金】
・4,600円【年会費】
・15,000円
【参考記事】会員への入会については公式サイトをご参照ください>>
毛髪診断士認定試験の合格
毛髪診断士の講習会を終えると、いよいよ認定試験が待っています。
※試験時間は1時間(早めに終われば退出可能)
この試験に合格することで、ようやく『毛髪診断士』として名乗ることができるのです。
受験料は無料で、合格した場合だけ『認定料』を支払います。認定期間は2年間と定められているので、2年後には更新する必要があります。
2年間で更新という縛りをつくることで、更新時期には必ず最新の知識を得ることが可能だ!
いつでも最先端の毛髪知識を持っている、それが毛髪診断士ってわけだね!
ちなみに、認定料よおよび更新料は以下となります。
【認定料】
・会員15,120円
・非会員35,640円【更新料】※2年に1回
・会員2,160円
・非会員45,360円※すべて税込です。
毛髪診断士になるなら、もはや会員になっておかなければ損という料金設定です。
協会では合格率を公表していません。
しかし多くの意見を総称すると受験者の9割以上は合格するという見方が強いです。
試験内容は『丸バツ問題』『穴埋め問題(選択肢あり)』に分かれており、多くは丸バツ問題で構成されています。穴埋め問題にしても選択肢から選ぶものなので、しっかりと勉強をしていれば引っ掛け問題にかかることなく合格が望めるでしょう。
毛髪診断士は悩める人にアドバイスを送る仕事
短期間で毛髪のプロフェッショナルを養成する日本毛髪科学協会。
私がそうでしたが、薄毛に悩む人はもうすでに素人レベル以上の薄毛知識を持っているのが一般的です。(悩むと色々ネット検索しますから・・。)
ですので、AGAクリニックのカウンセリングに行った際、自分よりも知識が乏しいカウンセラーに当たった時は、そのクリニックの信頼が揺らぎます。
AGAクリニックのカウンセリングはほとんどの場所で無料ですが、いくら無料と言えど、しっかりと学び知識をつけたプロフェッショナルに見てもらいたいと思うのは当然です。
そんな中、薄毛人口にとってありがたい存在、それが毛髪診断士だと言えます。
毛髪診断士の試験を受けるにあたって
大人になればなるほど『試験』というものから遠ざかりがちです。
試験に合格するためには繰り返し何度も記憶することに限りますが、講習では別資料として要点のみをまとめたものも配られます。
この要点集を繰り返し反復で記憶することにより、知識の定着につながるでしょう。
毛髪診断士は信用できる?
ここまで見てきた毛髪診断士。結局のところ信用に足り得る存在なのでしょうかという点。
まず、試験については運で合格できる内容ではありません。それ相応の予習復習をしていなければ合格はないでしょう。
そして、2年間の認定期間の縛りにより更新が必要となります。更新では否応なくとも最新の毛髪科学を学ぶことになるので自然と知識は身についていきます。
と、いうことで、毛髪診断士の認定資格は・・
”持ってないより持ってたほうが確実に良い!”
という結論にいたります。
大事なことは毛髪診断士という肩書を持っているからといって、その人のすべてを信用する必要はないってこと!
毛髪診断士を持ってなくても実績の多さによって、的確な毛髪診断ができる人はクリニックにはたくさんいるのも事実!
最終的には”その人間が信用に足る人物かどうか!”ってことを一番意識すべきだよ!