AGA以外でも薄毛になる原因はいくつかありますが、その中でも多いのが頭皮の乾燥です。
何でも度が過ぎると多くの問題を引き起こす引き金になります。『乾燥』に関しても同じことが言え、乾燥状態が続いているにも関わらず何もしないでいると、トラブルの元になってしまうのです。
これが頭皮で起きてしまったら・・
ということで、ここからは頭皮トラブルと薄毛について解説していきます。
頭皮トラブルとは
頭皮トラブルとは、頭皮において問題が起きている状態を指します。体質・年齢・生活環境・人間関係など、頭皮トラブル発症の様子は人それぞれです。
また、頭皮トラブルの種類には、乾燥・フケ・かゆみ・炎症・湿疹・菌にいたるまでさまざまなものがあります。
あなた自身に当てはまるものがあれば、まずはその原因をつぶしていこう!
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頭皮トラブルの元凶は乾燥?乾燥を引き起こす地肌環境について
頭皮の地肌の乾燥をまねく大きな要因として、頭皮バランスというものがあります。
頭皮は主に、地肌の表面に存在する『皮脂』、誰の地肌にもある『常在菌(マラセチア菌)』、個人差のある『肌質』、この3つが相関的に関係しているのです。
これら3つのバランスが崩れると、頭皮の地肌のターンオーバー(皮膚の新陳代謝)が早まり、頭皮の潤いが十分に満たされません。
結果的に乾燥しやすくなります。
したがって、頭皮の乾燥を防ぐには、まずは頭皮環境のバランスを整えることが大切です。
ターンオーバーが早まると乾燥が加速
頭皮の地肌のターンオーバー(皮膚の新陳代謝)が早まると悪循環が始まります。
頭皮は乾燥すると潤いがなくなるのでバリア機能が低下し、今まで大丈夫だった些細な刺激にさえダメージを受けやすくなるのです。そうして頭皮はどんどん乾燥していきます。
頭皮の乾燥の原因は生活習慣や体質など人それぞれ
頭皮トラブルを防ぐためには、まず頭皮が乾燥しないようにすることが必須です。
ここからは、頭皮が乾燥してしまう原因を紹介します。当てはまるものがあれば、その原因を意識してつぶせるようにしていきましょう。
- 温度差による乾燥:温度差により汗ばんだり冷えたりが繰り返され頭皮は乾燥します。
- 気候による乾燥:冬場は湿度が低く、頭皮の水分も奪われるので乾燥します。
- 市販のシャンプーによる乾燥:市販のシャンプーは強力な洗浄成分が配合されており、最低限必要な皮脂までがはぎとられ乾燥します。
- 自然乾燥:濡れた頭皮を放置しておくと雑菌が繁殖し頭皮環境のバランスが崩れ乾燥します。
- 紫外線による乾燥:紫外線はそれだけで頭皮への強い刺激になり、乾燥を促します。
- ブラッシングによる乾燥:頭皮をかくような形でブラシをすることは、地肌を痛めつけ頭皮環境が悪化し乾燥に繋がります。
- 生活習慣:かたよった食生活や睡眠不足は、頭皮の皮脂の分泌量を異常にうながしてしまい、頭皮のターンオーバー(新陳代謝)に影響を及ぼします。その結果、頭皮バランスが崩れ乾燥します。
頭皮の乾燥放置で起こるトラブル
頭皮の乾燥について、ただの乾燥だと思い放って置いては、自然治癒どころか合併症状を引き起こし悪化の一途をたどってしまいます。乾燥が引き起こす合併症状にはどんなものがあるか確認していきましょう。
- かゆみ:乾燥することで一番最初にでてくる症状。頭皮を守るバリア機能が低下し、些細な刺激にも反応しやすくなります。
- フケ:頭皮の皮膚がはがれ落ちたもの。乾燥により頭皮をかきむしることで、ターンオーバー(新陳代謝)のサイクルが狂い発生。
- 頭皮ニキビ:頭皮の免疫力が低下することでアクネ菌が異常発生しニキビが発生。
- 頭皮アトピー(アトピー性脱毛症):アトピー性皮膚炎をもっていると、人より乾燥への免疫機能が低いのでかなりの確率で発生。
- 脂漏性湿疹:かゆみが伴わないこともあるが、頭皮からフケがポロポロ、赤い発疹がポツポツの症状が持続する
- 真菌症:感染症の一種。頭皮の免疫力が低下することで菌にかかりやすくなる。
かきむしるとそのときは気持ちがいいですが、手についた抜け毛にゾッとします。
頭皮を乾燥させないための予防法
ここまでご覧いただいたとおり、頭皮の乾燥はたくさんのトラブルの元になっています。まずは頭皮を乾燥させないことが何よりも大切です。
乾燥対策にはどのような方法があるのか見ていきましょう。
- 頭皮への刺激が少ないシャンプーに変える
- ゴシゴシ頭皮を洗わない
- 頭皮が火傷しないようなドライヤーを心がける
- 髪染め(ブリーチ)などで頭皮に刺激を与えるのを避ける
- 乾燥しないよう頭皮の保湿を心がける
- 紫外線から頭皮を守る
- バランスの良い食生活に改善する
原因はストレスからくることも考えられるから、日頃のメンタルケアも大切だね。
頭皮のかさぶたのようなフケをなくす方法も、ニキビの治し方も基本的には上記の方法をしっかり守ることが一番!
悪化してしまった場合には、お医者さんへ行って専用の塗り薬を処方してもらうのがベストだね。
フケやニキビを治すには皮膚科へ
前述した頭皮の乾燥対策はあくまでも予防方法です。頭皮に限らず人間の皮膚は、一度悪い方向へいってしまうと自力での回復は難しいものがあります。
そうしたときは最寄りの皮膚科へいきましょう。
皮膚科であれば保険も適用されるので、少ない出費で即効性のある回復が期待できます。
「フケ症」とは、脂漏性皮膚炎の軽い症状と考えられています。
皮脂腺から常に分泌されている皮脂は、ベールのような役割をして皮膚を守っていますが、その分泌が多すぎたり、皮膚に棲む真菌(カビの一種)が皮脂を分解してこの病気を発症すると言われています。
こんな場合もすぐ皮膚科
以下の症状が現れた場合、市販の薬や予防の施策での回復は極めて困難です。当てはまる症状がある際は、最寄りの皮膚科へいくことをおすすめします。
頭皮アトピー(アトピー性脱毛症)
もともとアトピー性皮膚炎の体質があるとかなりの確率で発生。かゆさが収まらず、かくことで頭皮が傷つき、頭皮の免疫力がさらに低下するという悪循環におちいります。基本的にはステロイド外用薬を塗ることで早期治療が期待可能。
【参考記事】アトピーについてはコチラ>>
脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)
頭皮から白い粉状の皮膚の破片、いわゆるフケがポロポロ落ち、時としてしつこい痒みを伴います。汗疹(あせも)やカブレの場合がほとんどですが、軽快してもまたすぐ再発を繰り返すなど、症状が継続して出現する場合は「脂漏性皮膚炎」の可能性が高いです。
【参考記事】脂漏性皮膚炎についてはコチラ>>
真菌症(しんきんしょう)
菌が異常繁殖することで、かゆみや炎症を引き起こすもの。代表的な真菌症として、水虫・ガンジダなどがあり、カビの仲間を総称して真菌と呼びます。
【参考記事】真菌症についてはコチラ>>
尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)
頭皮や生え際が炎症し皮膚が盛り上がります。また、皮膚を覆う細かいカサブタがフケのようにボロボロとはがれ落ち、かゆみをともなう慢性の皮膚の病気です。
【参考記事】尋常性乾癬についてはコチラ>>
頭シラミ症(あたましらみしょう)
頭シラミが髪の毛や頭皮に寄生し、頭皮から血を吸血することで成長し卵を産むことを繰り返します。幼虫も成虫も頭皮の血を吸血するため、その際、頭皮にかゆみが発生。シラミの卵は白っぽくフケと見間違えやすいので、気付きにくいのが特徴です。
【参考記事】頭ジラミについてはコチラ>>
粃糠性脱毛症(ひこうせいだつもうしょう)
フケ症と脱毛症状が合併した脱毛症。頭皮のかゆみと炎症を伴い、灰白色の細かいフケが多くなり髪の毛自体も細くツヤのない状態が続きます。主に思春期以降の男子に発症。
【参考記事】粃糠性脱毛症についてはコチラ>>
皮膚科にいくのが面倒くさい?ちょっと待って!
上記のような症状が継続して発生し改善されない場合は早めに皮膚科へいきましょう。私たちはどんなに自分自身のことをわかっていても、病気のことまではプロではないです。
管理人自身、ある時いつも通り顔の乾燥に見舞われ、『たぶんいつものアトピーの症状だな・・』とは思っていたものの、少し不安になり皮膚科へいきました。
診断の結果、『帯状疱疹(たいじょうほうしん)』であり、そのまま点滴を打たれ、絶対安静と言われたことがあります。
自分の経験則だけで判断せずに、早めに皮膚科にいってプロの判断をあおぐことが大切。早期治療は早期回復につながるよ!
病院はどうやって選ぶ?
どこの病院に行ったらいいのか・・おすすめはある?と考えがちですが、こうした場合はご自宅の最寄りの皮膚科へ行きましょう。総合病院しか近くにない場合でも、その中にある皮膚科で受診しましょう。内科ではなく皮膚科です。
内科の場合でも診察はしてくれますが、問診やちょっとした触診でおわる場合が多く見られます。
皮膚科であれば、あなたの頭皮の皮膚片やフケから顕微鏡で病原を診断してくれるので、誤診を回避し正しい診断結果を得ることができるのです。
一般的な治療方法は?
診断結果しだいで2通りの治療方法が考えられます。
菌が乾燥の原因だった場合は、菌を滅するための抗真菌の塗り薬。
菌以外が乾燥の原因だった場合は、抗炎症の塗り薬であるステロイド薬。
また、症状が落ち着くまでかゆみを抑えるために、抗ヒスタミン剤やビタミン剤なども併せて処方されることもあります。
基本的には皮膚科の先生に処方してもらった塗り薬を根気よく塗りながら、並行して生活習慣も補正していくことで改善していくんだ。
一般的に処方される薬の種類
(出展:ポケット医薬品集2008)
頭皮トラブルは症状により異なりますが、一般的に以下のような薬が処方されることが多いです。
- ステロイド外用薬・・炎症を抑え、かゆみをやわらげる効果
- ステロイド内服薬・・炎症を抑え、かゆみをやわらげる効果
- ニゾラール・・菌の繁殖を抑える効果
- 抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤・・かゆみを抑える効果
- ビタミン剤・・皮膚の再生力を高め正常なターンオーバーを手助けする効果
ステロイドは危険?正しい皮膚の治し方
世の中のアトピー性皮膚炎患者は『ステロイド派』『非ステロイド派』にわかれます。
なぜならステロイドには、”皮膚を薄くする”、”耐性がついて効かなくなる”、といった副作用についてのウワサが後を絶たないからです。
頭皮トラブルに見舞われステロイドが処方されたとき『ステロイド派』『非ステロイド派』、一体どちらを信じればいいのでしょうか・・。
成人アトピーに悩まされた数年前、ステロイドのウワサを恐れた私は、非ステロイドの食事療法や保湿対策などあらゆる民間療法を試しました。
しかし結果として、今現在きれいな肌に戻ることができたのは、2週間ほどステロイドを塗り続け、かゆみから解放されることでボロボロになった肌を一気に正常に戻し、徐々にステロイドの量を減らすと同時に市販の保湿クリームの塗布量を増やす、という日本皮膚科学会のガイドラインの基本に沿った方法をとったからです。
2年間程毎日つらくかゆかった日々がこの方法で1ヶ月もしないうちに改善しました。
【参考記事】日本皮膚科学会『アトピー性皮膚炎ガイドライン』を見る>>
そうすることでさらに悪化・・という流れだ。
ステロイドで一気に乾燥を防ぎ新陳代謝を正常に戻すことが、もっとも基本的な皮膚の治療方法なんだね。
【参考記事】日本アトピー協会HP|ステロイド治療に対する誤解についてはコチラ>>
治るまでの期間は?
基本的には2週間前後が一般的です。
ただ、頭皮トラブルの症状が出てからの放置期間が長ければ、その分皮膚の状態は悪くなっているので、治療の期間も長くなります。
また、ステロイドに対する疑心暗鬼から、処方された量よりもステロイドを少なく薄く塗ることで、中途半端な状態が続くと治りは遅くなります。
医師への相談が一番早い治療法
ここまで申し上げてきた通り、頭皮トラブル(皮膚トラブル全般に言えますが)についての自己判断はとても危険であり解決までに時間がかかります。
また、現代のようなインターネット社会ではたくさんの情報を手軽に収集できる一方で、その情報が正しいのか間違っているのかの判断はとてもむずかしいです。
というのも、ひとの身体には個人差があり、『ひとにとっては正しいことが、あなたにとっては間違っていた。』『ひとにとっては間違っているものが、あなたにとっては正しかった。』という現実は当たりまえに起こるのです。
けれども最後はプロの意見に従って進んだほうが一番早い解決につながるよ。頭皮トラブルが悪化したならまず皮膚科!
一番避けたい頭皮トラブルは?
最後に一番避けるべき頭皮トラブルについてお話していきます。
それは・・・
AGAと頭皮乾燥のダブルパンチです。
管理人も経験しましたが、元々AGAのスイッチが入っている状態で頭皮の乾燥が続くと最悪の事態となります。
想像にたやすいですが、AGAのスイッチが入ると既存の髪の毛たちは細く弱々しくなるのが一般的です。このタイミングで頭皮の乾燥状態が続くとかゆみが伴います。かゆすぎるのでかきむしると、細く弱々しくなっている髪の毛たちは簡単に次々に抜け落ちてしまうのです・・。
このモードに突入すると生え際などはアッという間にスカります。
遺伝的にAGA体質の可能性がある場合は、いつ頭皮乾燥に見舞われても良いようにAGA対策(治療)をしておくことはおすすめです。
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