AGA治療も始めてみると、それまで悩んでいたことがウソのように髪の毛の回復が進みます。人間とは不思議なもので、目の前の不安や悩みが解決すると、またすぐ次の不安や悩みが登場するのも事実・・。
髪の毛の回復が進んだ方の多くは、『考えてみればAGA治療薬の服用や塗布をやめたら、一体どうなるんだろう・・』という疑問を抱えます。
AGA(男性型脱毛症)の治療をやめると薄毛は進行してしまうのか?
一番気になる疑問ですが、残念ながらAGA治療(服薬・塗布)をやめてしまうと、再び抜け毛の進行が始まり薄毛のループに入ってしまいます。
AGA治療後は元に戻る
大前提に、AGA治療薬は現在進行系の薄毛に対して効果を発揮するものであり、薄毛になりやすい体質を改善するものではありません。
例えば風邪薬などは、風邪の症状が治まれば服用をやめるのが当然ですが、AGA治療薬に対してはそういった考えはないのです。
糖尿病の人が血糖値をコントロールする薬とうまく付き合いながら人生を歩んでいくのと同じように、AGAの人はAGA治療薬とうまく付き合いながら薄毛にならないようコントロールしていくことが大切だよ。
AGA治療中止後の専門家の見解(AGAヘアクリニック公式HP)
AGAの専門クリニックであるAGAヘアクリニックの公式サイトでは、プロペシアなどのAGA治療薬は一生飲む必要性がないことを示唆しています。
理由として、一般的なAGAの薄毛進行は男性ホルモンが関与いているので、40歳前後から男性ホルモンが減少していくことを受け、AGAの原因となるジヒドロテストステロン(DHT)の生成が弱まるからです。
そうなると相対的にジヒドロテストステロン(DHT)が作られる量も減っていくから若いときよりAGAが進行しにくくなるって言っているんだ!
AGA治療をやめるタイミングはある?
AGA治療、すなわちプロペシア(フィナステリド)の服用をやめれば再び薄毛は進行します。ハゲたくなければ治療は継続、これがAGAを回避するための唯一の手段です。
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とはいうものの、AGA治療をやめるタイミングは本当にこないのでしょうか。もしやって来るとすれば以、下のような可能性が挙げられます。
- AGA進行でハゲていく自分を諦められるようになった時
- 他の病気などの理由で医師から服用中止の指導があった時
そういった意味でも、AGA治療薬を服用し続けられるよう、日頃から健康にも気を使っていこう!
プロペシア(フィナステリド)を中止したら、副作用はすぐ消える?
プロペシアの副作用として過去におこなわれた臨床試験で、性欲減退・勃起機能不全(インポ)という副作用が確認されています。しかしながら、これはプラシーボ効果(思い込みの力)からくるものであるという見方が強いです。
他に、プロペシア(フィナステリド)の服用をやめた後も、継続して副作用が現れ続けるという現象があります。
この現象の呼び名は、ポストフィナステリド症候群。
プロペシアの副作用を訴えた人は、プロペシア利用者の約5%。このうちの約0.25%がポストフィナステリド症候群といわれています。
AGA(男性型脱毛症)治療中の疑問
AGA治療では継続的な服薬・塗布が必須ですが、ちまたでは『AGA治療では治療には停滞期がある!』だとか『減薬しないと大変なことになる!』なんてウワサもあります。
一体この噂にはどこまでの信憑性があるのでしょうか?
AGA治療の停滞期の存在
ダイエットなどではよく、”停滞期”なる言葉を聞くことが多いです。
たしかにダイエットでは体重が落ちやすい時期や、まったく落ちにくい時期などが事実として存在し、その間ダイエットへのモチベーション維持に悩まされます。
AGA治療でも「停滞期」という言葉を聞きますが、結論からいくとこれはAGA治療を受けている方の思い込みによるものです。
もともと髪の毛は薬を飲んだり薬を塗ったりしたからといって、爆発的に生えてくるものではありません。日々、少しずつ薬が効いていくことによって徐々にヘアサイクルが正常に戻り、やがて年月を重ねた頃に毛量が増えてくることに気づくというものです。
薄毛の部分が濃くなってくると頭皮は肌色から黒色に変わる。でもその後は、薬をやめて薄毛に戻ってしまわない限り、頭皮の色は黒いまま。
だから一定以上の髪が生えそろうと変化を実感しにくいのは当然だね。
AGA治療で減薬はするべき?
ここまで、AGAにおいて、治療をし続けなければ薄毛が再発してしまうことがわかりました。
ただ、治療が落ち着き髪の毛が生え揃ってくると、毎月の出費のことが頭に浮かんだり、肝臓などへの負担についても気になりだすころです。
どんな薬でも、なにかしら肝臓に負担はかかるもの。効果が落ち着いてきたら減薬するのも一つの選択肢です。
飲むタイプのミノキシジルであっても同様な方法が考えられます。ただこれらは人それぞれタイミングも大事だから、専門のヘアクリニックで医師に相談しながらやることを勧めるよ。
AGA治療には予防という考え方が必要
AGAとは薄毛になっていくこと、すなわちハゲることです。
治療と聞くと少し身構えてしまいますが、髪の毛が回復したら、今度はハゲないための予防策として飲み(塗り)続ける、といった気持ちが大切になります。
プロペシアを使ったAGA治療の継続的な負担
AGA治療では主に、プロペシアなどに配合されているフィナステリドという成分の継続的な摂取が必要となります。
プロペシアの価格相場は月額6,000円~7,000円。最初こそ『月々の負担が結構あるな・・』と思うものの、日割り換算でみると1日200円程度です。
プロペシア をジェネリック品(ge)に変更するという選択肢
プロペシアはMSD株式会社が開発・発売し始めたことで有名ですが、既にファイザー、サワイ、トーワといった国内の製薬メーカーからジェネリック品が発売されています。(※ジェネリック品:新薬と同じ主成分が入った後発の薬)
【ジェネリック品の価格相場】
(出展:浜松町第一クリニック)
クリニックによって価格帯に多少の違いはありますが、ジェネリック品であれば、だいたい月額4,000円前後。1日あたりジュース1本分の費用で購入が可能です。
いづれにせよ、まず初めは専門のクリニックの先生に相談するのが一番だね。
プロペシアを飲み続ける=子作りはあきらめる?
プロペシアなどフィナステリド配合のAGA治療薬を飲み続けたからといって、なにも子作りをあきらめなければならないわけではありません。
よくあるウワサであるのは、プロペシア(フィナステリド)を服用している時に、子作りをすると奇形の男児が生まれるなどの情報です。
こうした可能性はほとんど天文学的数字であり、これまでプロペシアによる奇形児の事例はありません。
【関連記事】AGA治療中は子作りNG?プロペシアやミノキシジルは妊娠へどう影響?>>
プロペシアを飲んでるときに献血はできる?
プロペシアなどのフィナステリドを飲んでいるときの献血は絶対にNGです。
ここまでお話してきた通り、フィナステリドは男性が摂取する分には生まれてくる子どもになんら悪影響を与えることはないですし、今までにも悪影響があったという報告はあがってきていません。
ですが、男の子の胎児を持つ女性がフィナステリドを摂取した場合、その胎児の男性器がうまく発達しなくなる可能性が示唆されています。
献血した血液がどこの誰に行き渡るのか?献血をする時点ではかいもく検討がつきません。
したがって、プロペシアなどのフィナステリドを摂取している期間は献血にいくことは絶対にやめましょう。
【関連記事】プロペシアとは?AGAを治す絶大な効果や恐ろしい副作用まで徹底解説!>>
ミノキシジルはやめても大丈夫?
基本的には先ほどのプロペシアもミノキシジルも使用を中止してしまえば効果は消えてしまいます。
すなわち再び薄毛が進行するということです。
ミノキシジルの効果は血管の拡張を促すことであり、毛母細胞が活性化され毛の生成を促進するとされています。
したがって、ミノキシジルでの治療をやめてしまえば、その効果はゼロになるので確実に薄毛は進行します。
ミノキシジル中止とリバウンド
ミノキシジルを中止するとリバウンドするといった声を聞きますが、これは的確な表現ではありません。
ここでいうリバウンドとは髪の毛が再び薄くなっていくことです。
ミノキシジルをやめれば薬の恩恵はなくなり、もともとの薄毛体質が全面に押し出される状態に戻るので再び薄毛が進行し始めることは当然のことと言えます。
これはミノキシジル内服薬であるミノタブでも同じことが言え、やめると維持はできません。
【関連記事】ミノキシジルの由来とは?原理や効果から分かるミノキシジルの全てを解説!>>
AGA治療中の全身脱毛
発毛の話をしている最中に脱毛の話をすると、なにか矛盾するようにも思えますが、この2つにはとても大きな関係があります。
ミノキシジルと永久脱毛の関係
AGA治療で処方されるミノキシジル。ミノキシジルには主に塗るタイプの外用薬と、飲むタイプの内服薬(ミノキシジルタブレット)があります。
ミノキシジルには毛母細胞を活性化させ毛を生やすという効果がありますが、飲むタイプのミノキシジル(以下、ミノキシジルタブレット)を服用すると、全身の毛母細胞が活性化されるのです。
すると何が起きるのか?・・・
ミノキシジルタブレットの副作用として全身の毛が濃くなるというものが確認されています。
『ミノキシジルタブレットを服用して髪の毛は生えてきたけど、ヒゲや体毛も濃くなってけむくじゃらになった・・』という副作用が出るのは、ミノキシジルの効能を考えれば当たり前の話なのです。
ミノキシジル使用をやめれば体毛は徐々に戻るけど、反面、髪の毛も薄くなっていってしまう・・。
ということで、生えてきてほしくない部分の毛については永久脱毛することでQOL(人生の質)が上がるよ!
ちなみにミノキシジルタブレットを服用中に脱毛クリニックに通ってもまったく問題ない!
プロペシアとレーザー脱毛の関係
プロペシア(フィナステリド)には全身の毛が濃くなるという副作用はありません。
ここからは管理人個人の実体験です・・
ある時、試しにプロペシア(フィナステリド)の摂取を1ヶ月程中止したことがありました。
当然のことながら、服用中止から2週間3週間と経っていく中で徐々に抜け毛(細くてヘロヘロな毛)が目立つようになってきたのです。
が、それと同時にヒゲを剃る回数が増えたのです。
むしろ服薬をやめるとヒゲが濃くなっている・・。そんな場合はレーザー脱毛をするのも一つの手だよ!
まぁ服薬をやめるということは薄毛を再開させるということになっちゃうけど・・
プロペシア服用中でもパーマをかけると薄毛になる?
『パーマをかけるとハゲになる!』、どんな世代でも一度は聞いたことがあるセリフですね。
事実としてパーマをかけるとハゲるという科学的根拠はありません。
ですのでプロペシア(フィナステリド)を飲んでいれば、いくらパーマをかけようがハゲることはない!というのは時期尚早です・・。
なぜなら『パーマをかけるとハゲる』という都市伝説めいたウワサがいつの時代にもあるのには、以下の仕組みがあるからです。
①パーマをかける
②頭皮に薬剤が付き炎症が起こる
③かゆくなりかきむしる
④頭皮が傷つき頭皮環境がさらに悪化する
⑤ダメージを受けた頭皮から髪の毛が次々と抜け落ちる
これが『パーマをかけるとハゲる!』という都市伝説のカラクリです。
プロペシア(フィナステリド)自体の効果は、”体の中で作られる抜け毛を促進する成分”を抑えるだけの働きだから、頭皮の炎症や傷を治すという効果はないんだ。
よって、いくらプロペシア(フィナステリド)を服用していたとしても、パーマで頭皮が痛めつけられてしまったら、AGAとは関係のない理由で薄毛になることがありえるんだ。
こうしたAGA以外での薄毛進行の可能性は、パーマだけでなくヘアカラーでも同じことがいえます。
ミノキシジルを塗ってヘアカラーしても大丈夫?
前述のとおり、プロペシア(フィナステリド)+パーマやヘアカラーには相関関係がないので、頭皮へのダメージさえ過度にならなければ薄毛への問題はないという結論でした。
それでは同じAGA治療薬である『ミノキシジル』+パーマやヘアカラーはどうでしょう?
同じミノキシジルでもプロペシア(フィナステリド)と同様、”飲むタイプ”の場合は特に問題なしですが、”塗るタイプ”のときには注意が必要になってきます。
ただでさえ頭皮に炎症を起こしたり傷をつけてしまうパーマやヘアカラーに、塗るタイプのミノキシジルの刺激が加われば、おのずと頭皮への刺激が増えるのは当然です。
世の中の情報にまどわされないことが大事
育毛剤や発毛剤に限らず、AGA治療薬の副作用についても正しい情報だけをキャッチするのは大変むずかしいところです。
発毛剤、育毛剤のコマーシャルなどであたかも「常識」のように語られる事柄にも、皮膚科医の私から見れば、商品販売促進のための「まやかし」と思われるものが少なくありません。
ところが、内科の医師などを対象にした講演では、いまだにこうした思い込みに関する質問をよく受けます。つまり、医師たちの間でも何となく従来のこうした思い込みを真実だと思っている人が多いわけです。
まとめ
プロペシアをやめたらどうなるか?やめると抜け毛がまた増えます。
ネット上で『プロペシアをやめてよかった』『プロペシアはやめたほうがいい』といった書き込みをしている方々もいるので、そうした文面を見ると、プロペシアを一旦やめるタイミングを探したり、やめ方を調べたりすることもあるでしょう。
プロペシアを中断するのも再開するのも、ひとそれぞれ自由ではありますが、中止をすれば確実にAGAは悪化するのです。
私のようにプロペシア長期服用者からすれば、プロペシアをやめるときは本当によく考え、続けることとやめること、どちらがあなたのQOL(人生の質)を上げるのか?十分に考えたうえで決断することをおすすめします。