AGAであれば一度は聞いたことのあるAGAにまつわる検査。
中でもひときわ注目を集めているのは「AGA遺伝子検査」。
なんとなく読んで時のごとくでいくと、「AGA」の「遺伝子」なのかを調べる「検査」といった意味合いになりそうですが・・。
でもこれ、AGAであるかどうかの遺伝子を調べられるわけではないんです。
と、言うのはまだ早いです。
あなたの遺伝子に対し、AGA治療薬があなたのからだに効くかどうか?という非常に重要なことを知ることができます。
他にもいくつかAGAにまつわる検査はありますが、果たしてその信憑性はいかに?
ということで解説していきます。
AGAの検査方法は全部で3つ
AGAに役立つ検査は、AGA遺伝子検査を含め、主に3つの種類があります。
- 血液検査
- ミネラル検査
- 遺伝子検査
AGA血液検査(リスク遺伝子検査)とは
血液検査では、採取した血液から臓器の健康状態を調べます。
AGA治療で使用される薬の成分は、主にフィナステリドとミノキシジルです。
フィナステリドには副作用として肝機能障害や中性脂肪の増加などがあります。仮に、もともと肝臓が悪い人や中性脂肪が高い人がフィナステリドを摂取してしまうと、より重い病気になったりする可能性が大きいです。
また、ミノキシジルの副作用には血圧の低下があります。こちらも仮に低血圧の人がミノキシジルを体内に吸収することで、めまいで倒れてしまう可能性もでてくるのです。
こうした副作用のリスクを考慮し、AGA治療では初診時に血液検査をおこなうことで、AGA治療薬を使ってもリスクがないかを判断します。
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AGA血液検査を受ける場所と費用相場
AGA検査は皮膚科またはAGA専門クリニックで受けることが可能です。しかし、受けられる検査の種類は場所により異なるので、事前に確認のうえ、検査を受けることをおすすめします。
以下、皮膚科とAGA専門クリニックでにおける検査費用の比較です。
皮膚科(都内)・・5,000円~7,000円
AGA専門クリニック・・無料~6,000円前後
AGA血液検査の流れ
AGAクリニックにおける、一般的なAGA血液検査の流れは以下の通りです。
①医師が拡大鏡などで頭皮の様子を確認
②体質上、AGA治療薬が使用できるか調べるため血液採取
(※遺伝子検査やミネラル検査を受けたい場合は追加で受けられる)
AGAミネラル検査とは
ミネラル検査では、人間の必須元素であるミネラルのバランスを測定します。
体内中でミネラルが偏ると、脱毛にもつながると考えられているのです。ミネラル検査をおこない体内の状態を知ることで、AGAではなかった場合に食事や生活習慣の改善に役立てることが目的としてあります。
AGA遺伝子検査(アンドロゲンレセプター遺伝子検査)とは
遺伝子検査では血液を採取し、DNA塩基を調べます。その結果、男性ホルモンに対する感受性がどの程度なのかを知ることで、フィナステリドの成分が効きやすい体質なのかを調べるというものです。
AGAになってしまう流れは、男性ホルモンであるテストステロンが、5αリダクターゼという酵素と結合することでジヒドロテストステロン(DHT)が生み出される。
生み出されたジヒドロテストステロン(DHT)という男性ホルモンが、今度は、男性ホルモン受容体(アンドロゲンレセプター)と結びつくことによって髪の毛の正常なヘアサイクルを乱し薄毛が進行するんだ!
で、このジヒドロテストステロン(DHT)と男性ホルモン受容体(アンドロゲンレセプター)の感受性の強さは遺伝子配列であるGGCリピート数という数値で確認が取れるわけ!
つまり、遺伝子配列によって男性ホルモン受容体(レセプター)におけるジヒドロテストステロン(DHT)への感受性が高いか低いかを確認できるわけです。
注射が苦手って人もいると思うけど、遺伝子検査は病院(クリニック)によっては1本の毛髪から検査をしてくれるところもあるよ!
多くのAGA専門クリニックや皮膚科などで実施しているものは血液検査です。ご紹介した遺伝子検査はクリニックによって、やっているところとやっていないところがあります。
それぞれの検査によって、具体的にAGAについてのどのようなことを知ることができるのか、他にも見ていきましょう。
AGAの診断基準
自分がAGA(男性型脱毛症)になってしまったと思った時、明確な診断基準が存在するでしょうか?
日本皮膚学会が発行している『男性型脱毛症診療ガイドライン』に、AGAについての明確な診断基準は記載されていません。
AGA診断には『頭頂部の本数が何本まで減ったら』だったり、『生え際が何cm後退したら』だったりの、数値的な診断基準はないのです。
日本皮膚科学会発行のAGAガイドラインには、『額の生え際が後退や、前頭部と頭頂部の毛髪が細毛化を医師が確認し、診断すること』といった基準にとどまっています。
そういった意味でも、その人その人が確実にAGAなのかどうかの診断基準は変わってくるんだ。
男性型脱毛症の進行過程には、人種による差異のほか個人差もあるのです。自己判断の基準は額の後退や頭頂部の薄毛ですが、必ずしもパターンにとらわれず、気になったら脱毛外来を設けている医院を訪ねて専門家の判断を仰いでください。
つい先日までは「AGA遺伝子検査」によって、ある程度AGAの体質であるのかないのかを知ることが可能となっていました。
ですが、最近の論文でAGA遺伝子検査ではAGA体質かどうかの判断はむずかしい!という発表がなされたのです。
AGA遺伝子検査とAGA体質の関係
AGA遺伝子検査とは、アンドロゲンレセプター遺伝子(AR遺伝子・男性ホルモン受容体遺伝子)を調べることで、自分がAGAを発症しやすい体質なのかどうかが分かるものとして存在していました。
存在していました・・
存在していました・・?
そうです。過去形です。
以前の論文では上記のようなことが記載されていたのですが、新たな論文でその内容は否定されました。
そう・・新たな論文では、リピート数とAGA発症に因果関係はなし!と発表されたのです。
まずは、アンドロゲンレセプター遺伝子上の「CAG」と「GGC」という塩基配列が何回繰り返されているか、すなわち「リピート数」を調べます。
「CAG」のリピート数と「GGC」のリピート数を合算した基準値を38とし、それを下回ればAGAのリスクが高い、それより上回ればAGAのリスクが低いと判断できる。
そうしたものでした。
AGA遺伝子検査における「CAG」「GGC」のリピート数とは
人間の遺伝子、すなわちDNAは全体の99.9%が同じ作りでできています。残りの0.1%の違いによって容姿に恵まれたりそうじゃなかったりと差が生まれるのです。
遺伝子(DNA)を分かりやすく見ていくと、『G・C・T・A』という4つの塩基で成り立っています。この4つの並び方の違いによって、人間の個性や特徴が決まってくるのです。
もし「CAGCAG」という並び方であれば2回繰り返されているので→CAGリピート数は2回。
もし「GGCGGC」という並び方であれば2回繰り返されているので→GGCリピート数は2回。
こうした形で「CAGリピート数」や「GGCリピート数」を見ていきます。
これまでのAGA遺伝子検査では、2つの合計リピート数が38回を下回っているとAGAが発症しやすいとされていたから、この場合はAGAを発症しやすいということになるね!
基本的に遺伝子(DNA)検査は皮膚や血液、毛髪やツメなど、どこの部位からでも調べることが可能です。
AGAクリニックなどでは、血液をほんのちょっとだけ採って検査するやり方がもっともポピュラーな方法となります。
ちなみに、自宅でできる簡易検査キットなども存在しているのです。
AGA遺伝子検査の信憑性
ということで、「AGA体質かどうかを調べられる」という件に関し、その信憑性を失ったAGA遺伝子検査。
ですが、個人的には発表される論文内容ってコロコロ変わるイメージがあるので、「やっぱり遺伝子検査でAGAかどうか分かります!」的なことに、またなる可能性も秘めていると感じています。
AGA遺伝子検査でわかること
残念ながらAGAの検査をすることによってAGA発症のしやすさは分かりませんが、この検査によって分かることもあります。それは以下の通りです。
- フィナステリドが効く体質なのを知ることができる
検査の結果、AGA治療薬の基本中の基本であるフィナステリド(プロペシア等)が効く体質かどうかを確定することができます。
薬が効かない体質だったとしたら、自毛植毛など他の方法で薄毛を治していくしかないよ。
AGA遺伝子検査のよくある質問
ですので、どんなタイミングで受けても結果が変わることはないのです。
AGA遺伝子検査キットで自宅でかんたん遺伝子検査
自宅でお手軽にできる遺伝子検査キットも存在しています。
ネット通販でいつでも誰でも購入可能なので、「一応、遺伝子検査してみたいけど忙しくてクリニックに行ってる暇がない」、という場合は使ってみるのもひとつの手です。
以下、薄毛界で有名な遺伝子検査キットです。
【自宅での遺伝子検査の流れ】
①ネットから購入
②キットが届いたら、同封の『検査同意書』にサイン
③自宅での検査キットは口腔粘膜細胞で行う場合が一般的なので、うがいをし口内を清潔にする
④主に綿棒または唾液から口腔粘膜細胞を採取
⑤返送用封筒に、『採取した検体』と『検査同意書』など、必要物を同封し返送
⑥数週間から1ヶ月ほどで検査結果がわかります。
(確認方法は郵送またはネットでの閲覧が一般的)
AGA遺伝子検査|自宅検査とクリニック検査の違い
遺伝子検査は自宅でもクリニックでもできるということですが、お互いにメリット・デメリットがあります。
以下、遺伝子検査(自宅)におけるメリット・デメリットです。
- 口内粘膜で検査するので痛みがない
- 病院へ行く手間がない
- クリニックに比べ費用が安い
- 不安や疑問を専門家にすぐに直接確認できない
以下、遺伝子検査(クリニック)におけるメリット・デメリットです。
- 専門家が検査をしてくれるので安心
- 検査後すぐに治療を始められる
- 不安や疑問があってもすぐに確認できる
- 採血なので痛みを伴う
- 費用が高くなる場合がある
- クリニックへ行く手間・時間・交通費がかかる
場所にもよりますが、AGAクリニックでの遺伝子検査は20,000円はかかるところがほとんどです。
自宅でできるキットであれば、20,000円かかることは稀なので安く済ませることができます。
ということは、どちらで検査をしても結果の信憑性には全く変わりないことが分かるね!
自分に向いてるAGA遺伝子検査とは
何事も興味が湧いたらすぐにやってみたいもの・・。
毎日仕事やプライベートで忙しいと、あれよあれよという間に時間は過ぎ去ってしまします。そうしているうちに薄毛の進行はまたたく間に進んでいくのです。
今の自分がどのような心理状況下にいるのかを、客観的に見ることで、自分に向いているAGA遺伝子検査の方法を確認しましょう。
今の自分 | 向いている検査 |
忙しくてクリニックに行く時間がとれない | 自宅でのAGA遺伝子検査キット |
自宅近くにクリニックがない | 自宅でのAGA遺伝子検査キット |
AGA治療薬が効くかを簡単に調べてみたい | クリニックでのAGA遺伝子検査 |
AGA治療薬が効くかを医師のもと調べたい | クリニックでのAGA遺伝子検査 |
家系的にも自分はAGAにならなそうだけど、最近抜け毛が気になる・・といった場合は、とりあえず自宅で検査キットを使ってみて、自分の体質に薬は効くのか確認するのもいいかもね!
検査キットの口コミは2chなんかでも多く書かれているから参考にしてみるといいね!
AGA簡単セルフチェックのやりかた
AGAの抜け毛には特徴があると言われています。
抜け毛の量が気にはなるけど自宅やクリニックでの検査はまだちょっと・・という場合は、抜け毛の状態からAGAか否かを判断するセルフチェックなるものがあります。
しかしこのセルフチェック、統計学的なものなので確固たる信憑性には乏しい点に注意が必要です。
簡単AGAセルフチェック
- 毛根の形が悪い(健康な抜け毛は毛根の形がマッチ棒のように丸みを帯びています。)
- 毛根がない(健康な抜け毛は毛根の形がマッチ棒のように丸みを帯びています。)
- 毛根の色が黒い(健康な抜け毛は毛根の色が透明です。)
- 毛根にしっぽやヒゲに見える白い塊がある(ヘアサイクルの途中で脱毛してしまったサイン)
- 細い抜け毛やミニチュア毛の割合が多い(正常な抜け毛は毛根から毛先までしっかりしています。)
- 寝癖がつかなくなってきた(髪にハリやコシがなくなってきているサインのひとつです。)
アプリを使ったAGAセルフチェック
- アプリ名:PROPELプログラム(ダウンロードサイトへ)
抜け毛からのセルフチェック同様、簡易的な手法ではありますが、無料で出来るのでやらないよりかはやった方が、AGAの早期発見につなげることができます。
変わったAGA診察方法
AGAに悩む男性は日本中いたる所に存在しています。誰もが都市部に住んでいるわけではないので、診断に行くにはそれ相応の労力や費用がかかってくるものです。
そうした中、情報通信機器の発達も背景に、厚生労働省は直接診療を原則としながらも、遠隔診療も事実上認める方針を打ち出しました。
この流れを受け、遠隔診療を始めるAGAクリニックが急増し始めているのです。
でもそれ以降はオンラインでのテレビ電話なんかで診察が受けられちゃうから、これなら遠方に住んでいても治療が継続しやすいね。
ちなみにAGAヘアクリニックでは、AHCトータルサポートアプリという専用アプリがあって、このアプリ上で定期的な診断や経過のチェックをしていくよ。
AGAはいろいろな角度から診断をくだす
AGA治療では、前述の通りの検査をしたり、マイクロスコープで頭皮診断をしたり、画像診断をしたり、いろいろな角度から診察をし、あなたにあったAGA治療の方針を決めていきます。
AGAにおける血液検査や遺伝子検査が必要か不要かはご自分で決めることが可能です。結果として費用もかかるので、よく考えてから決めることをおすすめします。
結果的に疑問や不安を解消できて、安心して治療をしていけそうだ!と思えたなら、その先生があなたにとっての名医なのです。