頭皮全体にかぶせるカツラもさることながら、薄くなった既存の髪の毛に人工毛を編み込み、髪の毛が増えたよう見せるのが現代版カツラ、すなわち増毛スタイルです。
薄毛の根本解決には至りませんが、増毛後は精神的安定がもたらされるので、QOL(人生の質)向上におおいに役立っています。
カツラの歴史を見てみると、思った以上に古くから活用されていたことが分かりました。
16世紀~17世紀頃から身分の高い人々が活用していたことが判明していますが、実は古代オリエント人やエジプト人もカツラを使っていました。
カツラを着けたミイラが多数発掘されたことで分かったのです。
増毛にかかる費用(値段)
増毛サロンで有名どころといえば、『アデランス』『アートネイチャー』『スベンソン』あたり。
参考までにアデランスの費用を見てみると、自毛1本に対し人工毛の編み込みにかかる費用は45円~100円前後。
仮に45円だとして、2000本の自毛に人工毛を添えつけると、『45円×2000本=90,000円』となります。
ということは『90,000円(1ヶ月分)×12ヶ月=1,080,000円』だ。
10年、20年と考えるとなかなか恐ろしい金額だし、なんといっても自分の髪の毛はその期間生えてくることはない。
むしろ老化していくから、もともとの自毛も減少していくよ・・。
増毛のデメリット
90年代は本当に多くの『増毛サロン』のCMがひっきりなしに流れていました。
大手増毛サロンで働いていた方たちも、まさか『AGA治療』という言葉が登場し、AGAクリニックのCMがバンバン流れる時代がくるとは思ってもみなかったでしょう・・。
世の中、結局は人々のニーズによって流行り廃りが決まるもの。
ニーズにそぐわない商品や技術はデメリットばかりが目立ち、やがて淘汰されていきます。
では、増毛におけるデメリットとは一体どんなものたちだったのでしょう・・
- 初期費用がかかる
- 継続的なメンテナンス費用が必要
- 定期的にメンテナンスの時間が必要
- 増毛自体が脱毛につながる可能性がある
- そもそも自毛(自分の髪)がある程度の量ないと増毛できない
- カラーやパーマを楽しめない
一つ一つ見ていきましょう。
初期費用のデメリット
増毛をウリにしているサロンはまず会員にならなくてはいけない場合が多いです。大抵最初の会員になる際に初期費用がかかります。そしてこの費用に関してはサロンに行って初めて知らされることが多いです。
ランニングコストのデメリット
一番大きなデメリットは継続的にかかる費用。
増毛業界も生き残りに必死なので、よくAGA治療の費用を叩いていますが、どう考えても増毛サロンの方がお金がかかります。
増毛サロンは1週間~1ヶ月に1回の頻度でサロンに通うことが必須です。
そこで、
- 髪の毛の増毛(人工毛を添えつける)
- 髪の毛のカット
この両方に料金がかかってきます。
そしてこの”カット”にはカット料金がかかる・・
脱毛の懸念や、ある程度の毛量がないと出来ないというデメリット
さらには、この増毛自体が脱毛につながるというデメリットが懸念されています。
増毛する人工毛は、現在生えている自分の髪の毛1本1本に対しておこなわれる事が多いので、髪の毛1本に対して大きな負荷がかかってしまうのです。
そんな髪の毛1本1本に数本の人工毛の束を結びつるってことは、ガリガリの腕の人が思い鉄アレイを持つこととイメージは同じだよ・・。
髪の毛で遊べない
増毛は『人工毛』を既存の髪の毛に結びつけるだけです。そしてこの人工毛はその性質上、カラーやパーマの薬剤を浸透させる効果がありません。
したがって、増毛でどんなに毛量を増やしたとしても、おしゃれを楽しめないのです。
増毛のメリット
デメリットは分かりましたが大切なのはメリットだったりします。なぜならメリットがデメリットを大きく凌駕するものであれば、とっても使いようがあるからです。
以下、増毛のメリットとなります。
- 自毛植毛と比べると費用が安い
- 日常生活に支障をきたさない
- 本来自分が持っている以上に毛量を増やすこともできる
一つ一つ見ていきましょう。
自毛植毛と比べると費用が安い?
自毛植毛で2000本の髪の毛を生えす場合、クリニックにもよりますが、600,000円~1,000,000円の費用がかかります。
しかし、増毛であれば、大体1本の増毛で45円~100円の試算となるので、2000本の場合は90,000円~200,000円の費用で済みます。よって、自毛植毛に比べ費用が安いです。
注意が必要なのは、自毛植毛であれば一度お金を払って施術をしてもらえば、その後のランニングコストはまったくの0円。
しかし、増毛の場合は1週間~1ヶ月に1度は必ず人工毛のお直しが必要なので、同じように2000本の場合は90,000円~200,000円の費用がかかります。
結果的に自毛植毛より増毛の方が費用がかかるということです。
で、増毛は既存の自毛(自分の髪)に人工毛を編み込んだり結びつけたりする手法だから、髪の毛の生え変わりで人工毛も一緒に抜け落ちてしまうんだ。
結局、新しく生えてきた髪の毛に、また同じように人工毛を編み込んだり結びつけたりしないといけないから、永遠にコストがかかってくるんだよ・・。
【関連記事】自毛植毛とは?移植の必要性から移植毛の未来までわかりやすく解説!>>
日常生活に支障をきたさない
自毛植毛と比べると結果的には費用がかさむ増毛。
しかし、自毛植毛は手術後にダウンタイムがあるので、すぐに運動をしたりするなどができません。増毛であれば人工毛を添えつけているだけなので、すぐにでも運動をしたりアクティブに外出したりが可能です。
本来の自分の毛量以上の増毛が可能
人それぞれの髪の毛の量は生まれながらに個人差があります。
増毛であれば、人工毛を添えつける手法なので本来自分がもっている毛量以上にいくらでも増毛することが可能です。
そもそも増毛とは
AGAという言葉が主流になってからというもの、『増毛』というフレーズをあまり耳にすることがなくなりました。
そもそも『増毛』とは、1本の自分の髪の毛や頭皮全体に対し、数本の人工毛を結びつけることで全体の毛量を増やしてくという意味のもの。
1本1本丁寧に人工毛を編み込んだり結びつけたりするアレですよね。
そんな『薄毛を隠す増毛サロン』と、近年当たり前のものになった『薄毛を治すAGAクリニック』。
結論からいくと、現状の勝者は『薄毛を治すAGAクリニック』となっています。
なぜそのような結果になっていったのか?
それは『継続的なメンテナンス費用』『むしろ脱毛の原因となりえる』といった増毛が持つデメリットの面が体験者のサイフや頭皮を圧迫するからです。
増毛がおすすめな人
メリット・デメリットを踏まえた上で、増毛がおすすめな方は以下の通りです。
- とにかく急いでハゲを隠したい
- 日常生活に支障をきたしたくない
- 生まれながらにして少ない毛量を増やしたい
やはり増毛の一番のおすすめポイントは『即効性』。
髪の毛が薄く地肌が見えてしまっていても、増毛サロンに行き2時間後にはフサフサの姿になっていることが可能なのです。
もはやイリュージョン。奇跡です。
前者の人にはおすすめだね!
増毛でトラブルが起きたら
増毛自体は直接頭皮に対しておこなうものではないのでトラブルも起きにくいでしょうが、もし万が一トラブルが起きてしまったら、以下のような処置をする必要があります。
- 増毛の施術をしたサロンに問い合わせる
- 増毛した人工毛が取り外せるのであれば取り外しておく
- AGA治療に切り替える
まずは当然のことながら、増毛の施術をしたサロンに問い合わせることが一番です。
ただし、その時のサロンの初期対応がイマイチであったり、すこぶる悪いものであった場合は、それ以上その増毛サロンを続ける必要はありません。
やっぱりどう考えても自毛植毛やAGA治療のほうがおすすめできるのは間違いないよ!
増毛は脱毛を促してしまう?
増毛することにより返って脱毛を促してしまうのではないか?という意見と、いやいや最新技術の増毛をなめちゃいかんよ!という意見があります。
反面、技術の進歩でツヤツヤの人工毛でどんな時でも絡み知らずというイメージもあります。
実際に増毛している方のブログを見ていると、『増毛が日常生活の中でズレ、他人にばれることがある』 というウワサについて、『これについては日頃のメンテナンスが大きく関係します。』と述べています。
人工毛の束が全体的に頭皮の上で浮いている状態になるから、まぁ不自然だよね・・。
ということで、先程の増毛をしているブログの方も『メンテナンスを怠ると自然なヘアスタイルの維持が難しくなる』と述べているのです。
長期間の遠出ができない生活になりそうです。
増毛の種類と方法
ひとくちに『増毛』といっても、大きく分けて3種類の方式があります。
- 編み込み式・・特殊な糸を使用し頭皮に蜘蛛の巣上の土台をつくりそこに人工毛を編み込んでいく
- 結毛式・・自毛(自分の髪の毛)に人工毛を結びつけて縛り上げる
- シート接着式・・あらかじめ透明なシートに人工毛の毛束が装着されておりそれをシートごと頭皮にはりつける
編み込み式や結毛式は、先程述べたように自毛が伸びてくると添えつけていた人工毛が浮いてきます。
シート接着式に関しては、シートを頭皮に直接貼り付けるので頭皮トラブルが絶えません。
『増毛サロン』が『AGAクリニック』に淘汰されていっているのが、この辺からなんとなく理解できるね・・
増毛体験者の口コミ評判
実際に増毛体験をした方たちはどのような感覚を得られているのかは気になるところ。
知恵袋から口コミを抜粋しました。
世の中意外とカツラが多い
サロンでは、増毛するのも厳しい毛量の状態になってくるとカツラを勧められるケースが大半です。
『今どきカツラって・・』と感じることもあるでしょうが、世の中意外とカツラ人口はたくさんいます。
実際、AGA治療がここまで一般的になったにも関わらず、カツラの売上は下がるどころか地味に上がっている現状があります。
そうです。
もはや『AGAクリニックVS増毛サロン』ではなく、『AGAクリニックVSカツラ会社』なのです。
まぁ考えてみれば『人口毛』を使用しているという点で考えても同じ会社で用意するのが自然です。
まとめ|カッパ先生のひとりごと
『AGAクリニックVS増毛サロン』の勝敗のゆくえ!ということで見てきたけど、労力やランニングコストの面を踏まえても増毛に軍配があがりそうな点は見つからないかな。
しいて言えば、『その場でフサフサの見た目が完成!』ここが唯一の勝ってる点だね。
現代人はランニングコストを一番に気にするけど、例えばAGA治療だと『治療薬7,000円/月』に対して、増毛だと『メンテナンス90,000円/月』といった具合に10倍前後の違いがでるよ。
AGA治療であれば、続ければ続けるほど治療薬の飲む回数を減らしていけるからランニングコストが下がるけど、増毛の場合はランニングコスト(維持費)はずっと変わらない・・。高齢者になるまでやると考えるといくらかかるか天文学的数字だ・・。
こう考えると、増毛よりもカツラのほうが売上が変わらず愛され続けている理由もうなずけるところだね。
とは言っても『増毛』に魅了されている人が、いつの時代も絶対数いるのは事実。
増毛スプレーや増毛剤、増毛パウダーなんて商品もあって、どれも薄毛を表面的にしか隠せない・・けれども売れ筋商品なんだよね!