『女性の薄毛は男性のように飲み薬などがないため治らない!』という声を耳にしますが、これはまったくのデタラメです。
女性の薄毛すなわちFAGAは確実に治ります。
男性のAGAは薬や治療で改善・維持するしか方法はありませんが、なぜ女性のFAGAは薬や治療で治すことができるのか?解説していきます。
FAGAは治らない?
男性のAGAの場合、治療薬の服用を止めてしまうと再び薄毛進行が始まります。
一方、女性のFAGAの場合、一度薄毛を改善してしまえば、その後に薬の使用をやめてしまっても薄毛が進行することはほぼありません。
FAGAはしっかりと対処をすることで比較的治りやすい病状と言えます。
女性の体内にある男性ホルモンの割合はおよそ10%前後。
こうした中、女性の脱毛症は相対的に男性ホルモン過剰になる際に発生しやすくなると考えられています。
すなわち、女性のFAGAは体内中の女性ホルモンと男性ホルモンのバランスが戻ることで改善していくということです。
FAGAとは
FAGAとは女性に起こる脱毛症のことです。
別名”女性男性型脱毛症”とも呼ばれています。女性は英語で『Female』、このFemaleの頭文字である”F”に、AGA(男性型脱毛症)をくっつけて、FAGAとしたのが語源です。
【関連記事】AGAとは?これでバッチリ!原因や特徴をわかりやすく解説!>>
女性の薄毛が治る期間は改善の兆候が現れるまでに3ヶ月~6ヶ月。薄毛が治った人(改善した人)の平均は6ヶ月~12ヶ月となっています。
だからこそ、一気にフサフサっと生えることは人体の構造上ありえないんだよ。
一定のヘアサイクルにのっとって少しずつ髪の毛が成長した結果、薄毛は改善されていくんだ!
FAGAの原因
女性は加齢により卵巣の働きが鈍くなっていくことで、女性ホルモンの分泌量が減少していきます。
そもそも女性の体内にも男性ホルモンは少なからず存在してるため、女性ホルモンが減ることで相対的に男性ホルモンの量が優勢となるのです。
こうした体内中のホルモンバランスの変化が原因となり、AGA(男性型脱毛症)と似たような脱毛症状が発生します。
それまでの女性ホルモンと男性ホルモンのバランスが崩れることでFAGAの脱毛症状が出始めるってことだ!
FAGAの特徴
FAGAの特徴は、まず女性の薄毛であるということです。
そして、局部的にどこかの部位が脱毛していくのではなく、頭皮全体で髪の毛が細く薄くなっていく特徴があります。
髪の毛が薄くなっていくメカニズムはAGA(男性型脱毛症)と同じで、ヘアサイクル(毛周期)における成長期の期間がグンと短くなることで、抜け毛が増加し細く弱々しい髪の毛が増えていくのです。
【関連記事】AGA(男性型脱毛症)の特徴とメカニズムについてはコチラ>>
FAGAの症状分類
(出展:日本臨床医学発毛協会)
FAGA(女性男性型脱毛症)にもAGA(男性型脱毛症)と同じように、薄毛の進行度によって分類がなされています。
これをルードヴィヒ分類といい、分類はⅠ型~Ⅴ型の5通りです。
女性脱毛のタイプ(ルードヴィヒ分類)一覧
- Ⅰ型:正面から頭頂部にかけて全体的に薄くなった状態
- Ⅱ型:Ⅰ型と比較して脱毛症の範囲が拡大した状態
- Ⅲ型:地肌がより目立った状態で、脱毛症の範囲がさらに拡大した状態
- Ⅳ型:毛包が破壊されて毛が生えてこなくなった状態
- Ⅴ型:薬剤の影響やホルモンバランスの異常が原因で脱毛症になった状態
ちなみに男性のAGA分類については以下の記事を参考にしてみてください。
【関連記事】ハミルトン・ノーウッド分類や高島分類とは?AGA若ハゲ進行種類を解説!>>
FAGAとAGAの違い
大前提として、AGAは男性に起こる脱毛症であり、FAGAは女性に起こる脱毛症のことを指します。
以下、AGAとFAGAの違いです。
種類 | 発症 | 症状 | 効果的な薬 |
AGA | 男性の脱毛症 | 生え際や頭頂部が薄くなる | ・プロペシア ・ミノキシジル |
FAGA | 女性の脱毛症 | 全体的に髪のボリュームが減る | ・ミノキシジル
※妊婦の場合、プロペシアは胎児へ悪影響の可能性有り |
でも女性のFAGAの場合、髪の毛全体のボリュームがまんべんなく減っていくから気づきにくいのが特徴的だよ。
絶対に注意が必要なのは女性のプロペシア服用!
特にプロペシアの成分が妊娠中の女性の体内に入ると、胎児の生殖器異常につながることが確認されているんだ。
女性は絶対にプロペシアに触れてはダメだよ!
【関連記事】AGA治療中は子作りNG?プロペシアやミノキシジルは妊娠へどう影響?>>
FAGA対策|治療方法と改善方法
FAGAの治療方法にはどのようなものがあるのでしょうか。
基本的には独自の判断で対策を講じるのではなく、皮膚科もしくはFAGA治療に対応している専門のクリニックなど、プロの医師にあらかじめ相談にいくことをおすすめします。
パントガール(内服薬)による治療
FAGA治療でよく処方される内服薬といえばパントガール(FAGA治療薬)です。
この内服薬は、パントテン酸カルシウムや、ケラチン、シスチンといった主成分で構成されています。
パントテン酸カルシウム:頭皮細胞や毛髪を健康に保つ。副腎皮質ホルモンの合成にも関与し、ストレスによる脱毛の緩和が期待できる
ケラチン:細胞を構成するタンパク質の一種。髪の毛の生成には欠かせない成分
シスチン:コラーゲンの生成に関わる成分。頭皮の新陳代謝を助けるのはもちろん、シミ予防にも効果的
他にも、ビタミンB群や薬用酵母、チアミンなど育毛や肌によいとされる成分も含有。薄毛改善だけにとどまらず美肌にも効果を発揮。
パントガールの副作用
パントガールは髪の毛に活力を与えるサプリメントに近い存在です。
したがって重度な影響を及ぼすような副作用の報告はありません。しかし、当然ながら人によっては身体に合う合わないがあるので、服用後、もし違和感を感じたら医師に相談をしましょう。
ミノキシジルによる治療
FAGA治療ではミノキシジル外用薬の塗布も一般的です。ミノキシジルは頭皮の血行を促進するとともに有効成分が毛母細胞に働きかけ髪の毛の成長を助けます。
ミノキシジルの副作用
ミノキシジルの塗り薬は女性にとって大きな副作用はありません。しかし、付け方にやっては頭皮がかぶれたりかゆみを帯びたりする可能性があるので、そのような症状がでた場合は医師に相談をしましょう。
『ミノキシジルの副作用で美肌になる!』『ミノキシジルは母乳に悪影響!』なんてウワサも聞くけど、これについての科学的根拠は示されていないから気にする必要はないよ。
ミノキシジルにはレディース版も市販されているところから考えても、女性の使用に安全性が担保されていることがわかるね!
ミノキシジルタブレットは、その抜群の血行促進力で髪の毛だけにとどまらずムダ毛までをも力強く生やしますので、個人的に女性の使用は推奨しません。
ミノキシジルを女性が使う時は塗り薬のみ!内服薬はダメです!
過度な血行促進はホルモンバランスを崩します。
女性の場合のFAGAは男性のAGAに比べ改善しやすいので、まずは生活習慣やメンタルコントロールにつとめることをおすすめします。
パントスチンによる治療
プロペシアと同じ働きをする成分配合の外用薬。
女性のプロペシア使用がNGなのは前述の通りですが、こちらのパントスチンであればプロペシアと同じような効果が副作用なく期待でき悪玉男性ホルモンの生成を防いでくれます。
FAGAは体内中の男性ホルモンが女性ホルモンよりも優位になることで発症するので、このパントスチンの塗布により男性ホルモンを抑えれば人工的に女性ホルモンを優位にたたせることができるのです。
パントスチンの副作用
パントスチンにも重度な影響を及ぼすような副作用の報告はありません。しかし、こちらも当然ながら人によっては身体に合う合わないがあるので、服用後、もし違和感を感じたら医師に相談をしましょう。
ビュリクシールによる治療
こちらもプロペシアと同じような効果が期待でき悪玉男性ホルモンの生成を防いでくれるというものです。髪密度が増し髪が丈夫になるという効果が期待されます。
ビュリクシール 副作用
サプリメントの一種ということで副作用の心配は要りません。
スピロノラクトンによる治療
女性ホルモンを増加させる作用がある内服薬。
FAGAは男性ホルモンが女性ホルモンより優位になることで発症するので、スピロノラクトンにより相対的に女性ホルモンを優位にたたせることで薄毛改善が見込めます。
利尿効果によりむくみの解消や降圧効果、重度の慢性心不全にも使われているのです。
スピロノラクトンの副作用
女性型乳房、乳房痛・腫れ、陰萎、多毛、月経不順、無月経、閉経後に性器出血、声が低音化、発疹、蕁麻疹、かゆみ、食欲不振、吐き気、口渇、下痢、便秘、けん怠感、動悸、発熱、そばかすなどが報告されています。
服用後、もし違和感を感じたら医師に相談をしましょう。
育毛メソセラピーによる治療
FAGAに対し有効な成分を直接頭皮へ注入する治療。
頭皮に塗るよりも、より大きな効果を発揮するところが特徴的です。また、近年では注射器を使わないノーニードル方式も登場しているので、痛みが苦手な方でも比較的容易に受けることができます。
育毛メソセラピーの副作用
育毛メソセラピーは男性も施術することが多く副作用がないことがメリットです。
HARG療法
HARGカクテルというオリジナルの薬剤を注射器を使い直接頭皮へ注入する治療。
ビタミンやアミノ酸など髪の毛の成長に欠かせない成分を患者の体質に合わせ調合し、出来上がったHARGカクテルを頭皮へ注入。こちらも頭皮に塗る外用薬に比べ、より大きな効果が期待できます。
HARG療法の副作用
HARG療法は男性も施術することが多く副作用がないことがメリットです。
自毛植毛による治療
自毛植毛は薄くなりにくい後頭部の髪の毛を薄くなった部分に移植するための手術です。
抜群の効果を発揮しますが、その分どの治療方法よりも費用が高く、手術も必要ということでハードルが高いのが特徴。
自毛植毛の副作用
自毛植毛はスカスカの薄毛になりやすい男性が施術することが多いです。副作用はありませんが、手術となるので術後の痛みは伴います。
したがって、女性は自毛植毛を受ける必要性がないとも言えるよ!
FAGAの画像
FAGA治療を扱う色々なクリニックで治療結果の画像を見ることができます。
そのいくつかをまとめてみたので、是非とも参考にしてみてください。
【治療開始から5ヶ月後】
(仙台中央クリニック公式HP)
【治療開始時と6ヶ月後】
(仙台中央クリニック公式HP)
【治療開始から2年】
(ウィルAGAクリニック公式HP)
上記のように治療をすれば必ず改善することが分かります。
FAGA以外の薄毛(脱毛)原因
男性の場合、薄毛の原因のほとんどがAGAである可能性が高いです。しかし、女性の場合の薄毛は一概にそのほとんどがFAGAであるとは限りません。
厚生労働省が発表しているデータでは、『うつ病を発症する男女比の割合』は1:2という結果が出ており、女性は男性の2倍うつ病になりやすいのです。
これが意味するところは・・
男性よりも女性の方がより多く不安やストレスを抱えやすく、そうした大きなストレスにより薄毛につながっていく可能性があります。
【参考記事】うつ病に関する厚生労働省のデータはコチラ>>
年齢は関係ありませんが、現代では特に20代女性の薄毛と抜け毛が大きく取り上げられ、これに対する改善と対策に効く育毛剤が一般化しています。
バリバリ働く若い女性が増えたこともひとつの要因となっていることは間違いありません。
円形脱毛症(えんけいだつもうしょう)
コイン程の大きさの脱毛が不特定部位に突如現れる脱毛症です。
本人に自覚症状はないので、ある時、自分の髪の毛をさわっているとふと気づくケースが多くを占めます。
びまん性脱毛症(びまんせいだつもうしょう)
頭皮全体に起こる脱毛症です。
FAGAとかなり症状が似ていますが、原因として髪の毛に必要な栄養の不足が考えられています。頭皮の血管を拡張し栄養を運びやすくするミノキシジルが、びまん性に効果があるとされています。
牽引性脱毛症(けんいんだつもうしょう)
髪の毛を長時間にわたって引っ張り続けることで発生する脱毛症です。
ヘアスタイルをポニーテールにしたり、エクステを付けたり、毎日同じ分け目にすることで毛髪に過度な負担がかかり引き起こされます。
分娩後脱毛症(ぶんべんごだつもうしょう)
出産により女性ホルモンのバランスが急激に変化することで発生する脱毛症です。
急激なホルモンバランスの変化で一気に脱毛が進みますが、出産後半年もすれば元の髪の毛の状態に戻ります。
粃糠性脱毛症(ひこうせいだつもうしょう)
フケの発生と脱毛が同時に起こる脱毛症です。
主に10代~20代の女性に起こりやすく、かゆみが生じかくことでさらに脱毛を悪化させてしてしまうことが特徴的。
脂漏性脱毛症(しろうせいだつもうしょう)
脂漏性皮膚炎によりフケと脱毛が同時に起こる脱毛症です。
地肌が炎症を起こし、かゆみがとまらなくなる症状が特徴的。
瘢痕性脱毛症(はんこんせいだつもうしょう)
外傷・火傷・手術後の瘢痕(はんこん)などによる『続発性瘢痕性脱毛症』および、原因不明で不可逆性の脱毛を引き起こす『原発性瘢痕性脱毛症』の2通りです。
症状は基本的に頭皮の狭い範囲に限られていて、毛包が消失し傷跡の状態になり毛包が消失した部分からは毛が生えてこなくなります。
一般的なところでいくと、睡眠不足、過度なダイエット、飲酒や喫煙、かたよった食生活、経口避妊薬(ピル)の服用による一時的な脱毛などなど・・
不健康はハゲに通ずる・・。
健康的な生活がまず第一だ!
増加する女性の薄毛
ここ数年、薄毛に悩む女性は増加の一途をたどり、女性の薄毛人口は300万人~600万人とも言われており、ストレス社会で活躍する女性が増えていくにつれ、今後もますます増加していくことが予想されます。
頭皮の悪化は顔の老化
女性の薄毛、最大の要因は頭皮の悪化。
頭皮は顔の皮膚とも密接につながっているため、頭皮の状態が悪化することで、目尻や頬が下がり、アゴもたるみ、顔全体のハリがなくなり老けた印象を与えることになります。
手当てで悪化するケース
AGAやFAGA専門のクリニックではなく、頭皮マッサージやスカルプケアをメインにしている育毛サロンに通うことで逆に悪化してしまうケースも見受けられます。
頭皮マッサージやスカルプケアと聞くと一見聞こえはいいですが、下手なサロンに当たってしまうと過剰に皮脂を取り除きすぎてしまい頭皮が乾燥状態におちいってしまう可能性があります。
AGAクリニックでは、FAGAによる女性の薄毛治療をおこなっているところもあるよ!まずはFAGAに対応した専門のクリニックへ相談にいくことが大切だね!
髪の毛の育毛に効果的な栄養素
女性の薄毛の場合は、一にも二にもホルモンバランスを整えることが大切です。『健康な生活習慣にはまず食事から』ということで、毎日摂る栄養も大事な要素となってきます。
以下、髪の毛の育毛に効果的な栄養素です。
種類 | 代表的な食べもの | 効果 |
たんぱく質 | 肉・魚・大豆 | 髪の毛の元となる |
ビタミンB群 | レバー・卵・乳製品 | 皮膚の新陳代謝を促す |
亜鉛 | 魚介・海藻 | 髪の毛を強くする |
ビタミンA | 緑黄色野菜 | 細胞分裂を正常化し毛髪の健康を保つ |
ビタミンC | 柑橘(かんきつ)類 | コラーゲンを生成し血管や頭皮を丈夫に保つ |
ビタミンE | 植物油・ナッツ | 毛細血管を広げ毛乳頭までの栄養運搬を助ける |
栄養が髪の毛に届くのは最後
人間の身体はよく出来ており、摂取した栄養をまず生命の維持のために体内のいたるところに運びます。
残念なことに、髪の毛は生命の維持にとってそこまで大切なものではありません。したがって、髪の毛に栄養が運ばれるのは後回しになるのです。
髪の毛を組織している成分
髪の毛は皮膚の付属器官です。
髪の毛の80~90%はケラチンというたんぱく質で構成されており、残りの10~20%が硫黄、メラニン色素、脂質、微量元素、水分で構成されています。
食生活では特にたんぱく質を多く含む食品を意識して摂るようにすれば、髪の毛の成長に大きくつながっていくね!
それでも改善が見られない場合はFAGA治療をしているクリニックに相談してみよう!